2016年11月28日月曜日

秋の森における精神的影響






                                         



この秋も、できる限り多くの時を森の木々を見て過ごしました。
街での暮らしがどうもしっくりこない僕は都会にいるとストレスが溜まるのです。

「もみじ狩り」... 秋の紅葉を見に出かけること。
そんな言葉のある日本という国はとても繊細な感覚を持つ素敵な国だと思います。

我々の住む地球には、地軸にわずか23.4度という傾きがあるがゆえに生まれた四季があります。四季それぞれに森の姿を味わえるのはこの傾きのなす偶然によるものなのです。

島国である日本の森は箱庭的であるがゆえに繊細さをかもし出しているのかもしれません。大陸的で、圧倒される風景とは違い、どことなく温もりとやさしささえ感じられる自然である気がします。

紅葉のカラフルな葉は視覚を刺激し安らぎを与えてくれます。その相乗効果として木々から放出されているフィトンチッド。その成分と効能は。

α−ピネン      ・・・   鎮静作用
シトラール      ・・・  自律神経の安定作用
リモネン       ・・・  血圧の安定
ボルネオール      ・・・ 体内時計の調整
α−カジノオール  ・・・ 疼痛の緩和

本能的に森へ行きたくなるのはこれらの作用が DNAの中に記憶されているからでしょうか?体ひとつで森の中で暮らしている動物たちが健康的に暮らしているのにもこういった成分が一役かっているのかもしれません。

ハラハラと舞い落ちる色づいた葉。何となくセンチメンタルな気分になる秋の森、地面に積った葉は腐葉土層を形成し、新たに育ってゆく木々の養分になっていきます。

人の暮らしも、木々の暮らしもその時間軸の差こそあれ、その一生に大きな差はないのかもしれません......

あとひと月もすれば、落葉樹のすべての葉はおち、春までの休止期に入ります。
やがて雪の積もった木々は再び視覚的に楽しませてくれる森となり、そんな森に癒されに僕はまた森へ行くことになると思います。