2016年8月31日水曜日

極北の秋を思ふ


いくつもの台風が通過している最近の日本列島。まだ8月の終わりですが、なんとなく今年は秋の訪れが早いのかな?と感じてしまう僕なのです。きっと暑さが苦手な為、少しでも早く涼しい季節になることを心のどこかで待ちわびているからでしょう。

以前、秋のこの時期のほとんどをアラスカで過ごしていました。
アラスカではすでに紅葉が始まり、8月の終わりから2週間ほどは紅葉の風景に目を奪われてしまうのです。

赤い葉の紅葉はブルーベリーや白樺、ウラシマツツジ。ヤナギやアスペンの黄色い葉、そこに針葉樹のみどり色が加って、カラフルな風景は心に沁みるのです。

そして、風景の中に動物の姿があればイメージは完璧なものに。

この光景に出会えれば、どれだけの費用がかかり、どれだけの距離を旅して来ようと、いい!と、思えてしまうのです。



紅葉の中のカリブー、秋には角を覆っていたベルベットの角袋がとれ、赤い角が現れています。角から血の赤色が消え硬さをましてゆくと繁殖期に入り、雌を獲得する為の角での闘いが始まります。


ツンドラに続く紅葉の海。その奥にはデナリ(6194 m)があらわれていました。近くで見ると巨大なムースも広大な風景の中ではその巨体も小さく感じてしまいます。


ブルーベリーの紅葉の中にはホッキョクジリスの姿が......
大地から色が消える頃、彼らは8ヶ月近い冬眠に入るのです。


色づくのは大地だけではありません。夜が戻って来た空にもオーロラのカラフルな色がつくのです。ユーコン川の水面にうつる秋のオーロラ。