2017年1月31日火曜日

フォトグラファーズ・ラボラトリーにて

かつて、最強のプロレスラーだった力道山。
彼が赤坂に建てたその名もリキ・マンションの一室にこのラボはあります。

小さな入り口を入ると、混ざり合う薬品の匂い。雑然と配置された大きなプリンター、現像機、スキャナー、パソコン。たたみ1畳ほどもある巨大なライトテーブル。

この場所へ来ると、まだ写真家としてはヒヨッコだった頃を思い出すのです。
写真家として活動したての頃、僕の写真を見て、会社持ちで大きな写真展を開催してくれたのはこのラボの方達でした。

久しぶりに写真のプリントの注文があり、ラボを訪れたのです。

この人なしにはプリントは語れない、と云う日本では有名な、いや、世界的に有名なプリンターがこのラボにはいます。日本の著名写真家はもとよりナショナルジオグラフィックの写真家など海外の著名写真家のプリントにもたずさわるプリンター。二十年ほど前から僕の写真を焼いてくれているプリンターです。その人の名は那須川 冨美男さん。

最も好きなアメリカの自然写真家、ジム・ブランデンバーグ。彼の展示が東京であった28年ほど前。その巨大な彼のプリントを見て衝撃を受けました。そのプリントを製作していたのが那須川さんでした。

そのことを知ったのは那須川さんと知り合ってしばらくたってからのことでしたが......


プリンター、現像液のタンク、スキャナーなどが所狭しと並んでいる。


奥の間で作業をするデザイナーの林さん。


最初のテストプリント、大まかな色のチェック。


細かい部分をチェック、フィルターをかざし色を見てゆく。そして最終的に色の決定をしたところで最後のプリントに入ります。


出来上がったプリントを壁にマグネットではる那須川さん。理想的に上がった写真に二人でしばらく見入っておりました。


久しぶりの大きなプリントに感激。写真の前で二人で記念撮影。
写真の大きさは1200mm × 1800mm 


写真の右下に、(かっこいい?笑 ) サインを入れました。
裏打ちとラミネート加工を施したのち、注文を頂いたお客様の元へお届けします。

注文を頂いた方のお部屋の壁にこの写真が飾られる様子を想像すると、たまりません♡
妄想は膨らみ、早くまた、大自然の中に撮影へ飛び出したい衝動に駆られるのでした。



2017年1月26日木曜日

コニカミノルタプラザ

コニカミノルタプラザ、新宿東口駅前。高野本社ビル 4F。写真映像ギャラリー。
そこは僕の写真人生を大きく動かしてくれた場所でした。

これまで多くの場所で写真の展示を行ってきましたが、
その中でも最も思い出に残るのがコニカミノルタプラザかもしれません。
30年近く前から通っていたこの場所。

階上にある高野フルーツパーラーの苺パフェもこの場所を訪れる時の魅力の一つでした。

GALLERY- C での展示で始まり、エコの森、GALLERY-A 、そしてナショナルジオグラフィックと造形作家の中村キリンとのコラボ開催の再びの GALLERY-C と、4回の展示をさせていただきました。


コニカミノルタプラザで初めての展示は GALLERY-C での
「アラスカ〜北の王国」


二度のスライドトーク。等身大のシロクマやホッキョクジリスのプリントの展示。
多くの子供達が隣に寝転び写真を撮っていたことを思い出します。



エコの森の展示は丹頂鶴やニホンザル、雪豹、ニシキヘビ、そしてアラスカの動物たち。


二度目の GALLERY-C での「 Think ! 生物多様性 」の展示。
ナショナルジオグラフィック、中村キリンとのコラボ展。
オオカミとシロクマの写真を展示。


中村キリンが制作したゾウガメは子供達に大人気でした。


GALLERY-A での展示 「 ALASKA PEACE ON THE LAND 」


いつの展示も、連日大勢の方々が訪れてくれました。

スタッフの方たちはあたたかく、フロントには美しい受付嬢たちがいて、僕にとっては最高のギャラリーでした。展示中に知り合った写真家やアーティストの方たちとは今でもつき合いがあり刺激を受けています。

閉館の話を聞いた時は胸の詰まる思いでした。
写真業界も少しづつ変化している中で、一つの時代が終ったということなのでしょう。
大都会の真ん中の、こんな素敵なギャラリーで4回もの展示をさせていただいたことを今では誇りに思います。

もう二度と高野フルーツパーラーで、苺パフェを食べることはない、そんな気がします。

変化の目まぐるしい時代の中で、写真というジャンルもまたその渦中にあることは確かでしょう。撮影の仕方も考え方も古いタイプの僕ですが、死ぬまでシャッターは切り続けて行こうと思います。まだまだ見たい動物、撮りたいシーンは頭の中に広がっているのだから......


2017年 1月 23日、月曜日。 
コニカミノルタプラザは60年という長い歴史に幕を下ろしました。

本当に、ありがとうございました。



2017年1月2日月曜日

新たな年を迎えて


謹賀新年

新たな年が明けました。
いい事も、悪いことも、様々なできごとがあった昨年ですが、再びリセット。

今年もこの美しい地球という星の上で暮らせることの喜びを感じつつ、正月の富士山に向かい心の中で感謝の言葉を捧げました。

今年もきっと色んな出来事があるでしょうが、しかと人生に刻みつつ生きてゆきたいと思います。

......ちょっと大袈裟ですが。




空には美しい上弦の月が上がっておりました。
そして、その横にはポツンと金星の姿が。

月と星を見上げていると、不思議な気持ちになりました。
この星に生まれ日々を生きていることの不思議。

時間軸の差こそあれ、星にも人にもその一生があるということ。
今年もできるだけ自然の近くで自然のパワーを感じでいよう、そう思った日です。