前日の天気予報は、雪になることを告げていた。
とにかく「雪」という言葉を聞くと心が躍る僕なのです。
日が落ちてから降り始めた雨はいつしか雪に変わっていたようだ。
例によって、車に三脚とカメラバッグを投げ込むといつも訪れている森へと向かいました。
山へ近づくにつれだんだんと白なる風景。いつもとは別の場所?そう思えるほど景色は変わって見えている。
凍った路面でスリップしたのか、一台の車が道路標識を曲げ横転していました。運転手とお巡りさんが並んで腕を組み、横倒しになった車を見つめている。冬道は慣れているから大丈夫!と思いつつも慎重にハンドルを握りなおし先を急ぐ。
山道に入るとさらに雪は深くなり、雪の積もった森は素敵です。
昇り始めた太陽に溶け出した雪が枝から落ち、ハラハラと舞うスノーダスト。
静まり返った森の中、鳥や鹿の気配。
写真には撮れなかったけれど、鹿が二頭、雪の森の中を走って行きました。
雪は街も森も、真っ白に変え、ちょっとしたアート作品に仕上げてくれる。
自然の神様はもちろん、芸術性など考えていないだろうが......いや、ひょっとすると絵心を持っていて景色を楽しんでいるのかも?
前回来た時はかるく雪にはまったけれど今回は難なく走行。
落石を避け、雪の重みで折れた倒木をくぐり抜け、行けるところまで進みました。雪の落ちる音しか聞こえない静まり返った森の中で鳥の声を聞き、鹿の気配を感じ、街の暮らしで少し鈍った五感を研ぎ澄ませてまいりました!
もっと雪のあるところへ行きたい......北極圏の冬を埼玉の森の中で妄想した日でした。