冬型気圧配置は関東地方の山々にも積雪をもたらしました。
キィーンと冷えた空気の中で冬の鳥の姿を見たくなり出かけた週末。
街での生活にどっぷりと浸っていると、精神も、体も軟弱になってゆく自分を感じます、寒さに弱くなってゆくのがわかるのです。だめだなぁ〜、そう思いつつ、カメラと三脚をバックシートに放り込み雪の積もっている山を目指して車を飛ばしました。
山沿いの里には蝋梅が満開の季節、甘い香りに季節は動いているのだなぁ〜と感じます。道に残る雪をスタットレスで踏みしめながら標高を上げて行きます。車を停め森の中へ......
頬を撫で、吹き抜けてゆく冷たい風。葉を落とした森に走る鳥たちの影。近くではアカゲラが木を啄く音。
生き物たちの気配を感じるために街の暮らしで鈍った五感を取り戻すのには少し時間がかかります。
木につけられたクマの爪研ぎの痕。数年前から気になっていた木には爪痕の本数が増えていました。何度かやって来ているはずのクマもまだ冬ごもりの中でしょう。
この森で一番の目的の鳥はオオマシコ。シベリア地方から冬になると渡ってくる冬鳥です。特徴はその体色の赤。
鳥たちの鳴き声と気配に耳をすますこと数時間。
鳥たちの鳴き声と気配に耳をすますこと数時間。
ふと気づくと目の前の枝に真っ赤な鳥が......
一旦鳥たちが姿を現すと、急に騒がしくなる森!
争う二羽。上にいるのはアトリ。大きな群れになることが知られている鳥です。多い時には数十万羽に及ぶことも。
アトリ同士の争い
正面から見た顔、お茶目で可愛いこと
お洒落なアイランが可愛い、ゴジュウカラ。独特な爪の作りで木の幹に逆さまに掴まることができる鳥です。
雪の白に映える赤。
なぜ、赤という色がこの鳥についたのか?きっと何か意味があるはずです。けれど意味などどうでもいいのです、レンズ越しに目の前にいる鳥は、ただ、ただ美しく、今、僕の目の前にいることに意味があるのですから。
シベリア地方から数千キロもを旅してくる数少ないこの小さな鳥、その姿を目にすることに希望と勇気を与えられた、意味のある週末でした。