住宅地の中庭にある一本の桜の木。春の満開時には注目されるが、その季節を過ぎてしまえば誰にも気にされることなく、ただそこにある物として立っている。
何気なく木の横を通り過ぎる時、ふと、足下の鮮やかな彩りに目を奪われてしまいました。
毛細血管のように細かく延びている葉脈
植物も人の体もよく似ていると思う
動植物の中には、秋になると短くなる日照時間によって、その形態が変化するものが多く、木々の紅葉もその一つ。
葉に蓄積されたブドウ糖や蔗糖、アミノ酸からは、低くなる気温。湿度。紫外線量の変化によってアントシアニンやカロテノイドという色素が精製される。紅く作用するのはアントシアニン、黄色に変えるのはカロテノイド。絶妙な二色のバランスがたまらない風景を作り出していた。
足下に広がっていた美しい自然から、紅葉の不思議なメカニズムを思った日。
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