かつて、最強のプロレスラーだった力道山。
彼が赤坂に建てたその名もリキ・マンションの一室にこのラボはあります。
小さな入り口を入ると、混ざり合う薬品の匂い。雑然と配置された大きなプリンター、現像機、スキャナー、パソコン。たたみ1畳ほどもある巨大なライトテーブル。
この場所へ来ると、まだ写真家としてはヒヨッコだった頃を思い出すのです。
写真家として活動したての頃、僕の写真を見て、会社持ちで大きな写真展を開催してくれたのはこのラボの方達でした。
久しぶりに写真のプリントの注文があり、ラボを訪れたのです。
この人なしにはプリントは語れない、と云う日本では有名な、いや、世界的に有名なプリンターがこのラボにはいます。日本の著名写真家はもとよりナショナルジオグラフィックの写真家など海外の著名写真家のプリントにもたずさわるプリンター。二十年ほど前から僕の写真を焼いてくれているプリンターです。その人の名は那須川 冨美男さん。
最も好きなアメリカの自然写真家、ジム・ブランデンバーグ。彼の展示が東京であった28年ほど前。その巨大な彼のプリントを見て衝撃を受けました。そのプリントを製作していたのが那須川さんでした。
そのことを知ったのは那須川さんと知り合ってしばらくたってからのことでしたが......
プリンター、現像液のタンク、スキャナーなどが所狭しと並んでいる。
奥の間で作業をするデザイナーの林さん。
最初のテストプリント、大まかな色のチェック。
細かい部分をチェック、フィルターをかざし色を見てゆく。そして最終的に色の決定をしたところで最後のプリントに入ります。
出来上がったプリントを壁にマグネットではる那須川さん。理想的に上がった写真に二人でしばらく見入っておりました。
久しぶりの大きなプリントに感激。写真の前で二人で記念撮影。
写真の大きさは1200mm × 1800mm
写真の右下に、(かっこいい?笑 ) サインを入れました。
裏打ちとラミネート加工を施したのち、注文を頂いたお客様の元へお届けします。
注文を頂いた方のお部屋の壁にこの写真が飾られる様子を想像すると、たまりません♡
妄想は膨らみ、早くまた、大自然の中に撮影へ飛び出したい衝動に駆られるのでした。