2015年8月24日月曜日

狛犬はオオカミ



急に思い立ち週末は秩父へ。うすく雲が空をおおっていた朝でした。

三峰山。

それは埼玉県、秩父地方にある妙法ヶ岳(1332m)白岩岳(1921m)雲取山(2017m)の三峰の総称。三つの山に囲まれた標高1102mのこの場所にあるきらびやかな輝きを放つ三峰神社。三つの峰々の「気」がぶつかり合う三峰神社はパワースポットとして注目を集めています。  
        
           

拝殿の両脇に立つ二本の神木は推定800年といわれ、訪れる人々は巨大な幹にふれ、パワーをもらっていました。


僕がもっとも惹かれるのは、境内に鎮座する数ついの狛犬。
秩父地方のこの狛犬、実は神使の山犬、ニホンオオカミであると言われています。
かつて、この山深い秩父地方には多くのオオカミが生息していました。

 

19年前、オオカミの姿が写真に捉えられたとテレビのニュースで騒がれたのも秩父でした。スピーカーを手にオオカミの遠吠えを流し、野生のオオカミを探し求めている人の姿が画面に映っていたのを覚えています。

撮影されたというその写真は灰色と茶色と白がまざった体色こそオオカミのそれに見えるけれど、体型はどうも犬っぽい、そう思えるものでした。これだけ山奥にも人間が入り込み、絶滅と言われてから100年近くも一度も姿を現すことがなかった動物が、突然、人前に姿を見せるとも思えず、しかし、鬱蒼とした森を残す神秘的な山の中で、一つぐらい不思議なことがあってもいい、そんな思いでテレビを見つめていたのでした。

数年ぶりに訪れた三峰神社の狛犬をながめていると、しばらく逢っていないアラスカのオオカミを思い出し、よく聞いていた遠吠えが心の奥で響く気がして胸が熱くなりました......


オオカミといわれる勇ましい顔付の狛犬とアラスカのオオカミ。

                           
                                               

2015年8月21日金曜日

空撮の楽しみ

このところの仕事で続いている客船の撮影。
日本各地の港を車で回りながら、時に陸から、時に空から撮影をしています。

空撮の時に乗るセスナやヘリコプターにはとても惹かれます。
車やバイクにもちょっと似た、男のロマンをくすぐる乗り物なのかもしれません。

ジャンボ機に乗るのも好きなのですが、小型のセスナやヘリは、たまりません!
アメリカやカナダでも撮影やトレッキングの時にはよく乗っていました。

向こうでは、エア・タクシーと呼ばれ、「ちょっとそこまで!」と、まるで空のタクシーのごとくセスナやヘリが使われているところもあります。


セスナ172


ロビンソンR22 は二人乗り


四人乗ることのできるロビンソンR44


B206 ベル・ジェットレンジャー


EC120  ユーロコプター 


今回の長崎。
セスナでの空撮、空からしか撮ることのできない写真があります。
上空から見下ろす風景はダイナミクです。


撮影対象に向け機首を立て直す為に旋回する時、視界に入ってくる様々な風景にも目を奪われます。そんな時は何も考えずにシャッターを切っていることがあります。
そんなワンカット。

空撮中は集中しながらも興奮し、地上に戻り撮影画像をチェックすると、おもしろいものが撮れていることも。


アスファルトの滑走路への着陸はとても心地いいものです。

北極圏のデコボコのツンドラや、石だらけの河原、湖の上、山の上などへのランディングは手に汗にぎることがよくあるものですから......


2015年6月30日火曜日

梅雨の晴れ間の森へ

日曜日、目が覚め窓を開けると、森へ行きたくなったのでいつもの森へと車を飛ばしました。
梅雨の合間の晴れ間。森も水分をたっぷりと含んでいるようです。様々なみどり色で生き生きとした森。この気候が作用しているということは、成る程、うなずけます。

光の透過する葉を見上げ、林間を飛び交う野鳥の姿を見ていれば何時間でも過ごせます。いえ、何日でも、ンン、何週間でも。夜も火を焚いて、森の中で過ごしたくなりますが今回は数時間だけの滞在。

それでもかなり癒されるのです。

街での生活にちょっと疲れた時、ほんの少しだけでもこの場所へ来ることができれば今はそれで良しとします。




冬場や渇水時には枯れてしまう滝ですが、繊細に丁度いい量の水を落としていました。
あまり人が訪れることのないこの落差5メートルほどの滝が僕は気に入っています。
滝の写真を撮りながらマイナスイオンを浴びると、とてもいい気分になれるのです。


山道を下り、帰りに立ち寄った近くのスーパーに売られていた薪。
美しくカットされ、美しく積まれた薪のやま。僕は積み上げられた薪を見ると胸が熱くなるのです。バーベキュー場や、キャンプ場ではよく500円、1000円と値段が付けられて売られているのを目にしますが、ここでは365円と........安ぅっ

ひと束買って部屋に置こうかと思ってしまった僕でした!




2015年6月27日土曜日

和 Taste

北海道から本州へ入ると、何故か?突然に「和」を感じたのです。
北海道は僕のイメージの中では何処か日本離れしていて、大陸的。それゆえに北陸や中部地方では特に日本らしさが目に付いたのかもしれません......

ん〜。にっぽん、ですねぇ。










もちろん、自然そのもの、の風景は好きなのですが。
人の暮らしの中にある自然もまた、日本人の心である「詫」「寂」を感じさせてくれる要因となっているのでしょう。


2015年6月21日日曜日

夏至の日

今日、6月21日は夏至。
そして父親の誕生日。

何年の間、北極圏でこの日を過ごしていただろう。
毎年、カリブーの巨大な群れを探して北極海の近くでキャンプをしていました。

白夜のこの季節、頭の上を円を描く様に移動してゆく太陽を一日中見ていたことを想い出します。今日は親父の誕生日か、と、遠く日本にいる父親のことを思っていた日でもありました。

夜中の淡い光の中に飛び交うキョクアジサシの姿をながめ、いくつかの小さなカリブーの群れが通り過ぎて行くのを観察し、ワタスゲの花が冷たい風にゆれるのを撮影する。それは何とも平和な時間です。





白夜の季節。真夜中の淡いサイドライトが被写体にあたる写真はとてもロマンティックに撮影できるのです。

写真という絵を描く絵の具のチューブの中に、ロマンティックな色があるとするならば、それは、極北の白夜の一本でしょう。

2015年6月17日水曜日

念願の旭山動物園

大学時代は北海道で過ごしていました。
何しろ北が好きだった僕は、多くのことを深く考えずに、北海道にあるということで大学を選びました。そして四年間を北海道で過ごし、卒業後も、夏はアラスカ、冬は北海道へという数年が続いておりました。

この度、仕事で訪れた北海道。6年ほど前に数日間だけ、道東のみ訪れて以来のこと。
大学のあった江別、そして札幌、旭川、小樽などは最後に訪れてから20年ほど経っているでしょうか。

北海道の空気はなつかしく、想い出の地を巡る度に涙がこぼれそうでした。

目的地のひとつは旭山動物園。いまでは話題の動物園です。
野生の動物の撮影以外にはあまり興味がなかったので、動物園には、小さかった子供達を連れて意外、訪れることはほとんどありませんでした、が、旭山動物園では動物たちにくぎ付けになりました。

中でも気になったシロクマとアザラシ。
旭山動物園の紹介映像で目にしたことはありましたが、やはりその演出は感動的でした。


水中での行動を見ることができるシロクマ。まるで、魚か?と思うほどに水中をよく動き回っています!昔から、いつか野生で水中のシロクマを撮影したい。そんなことを考えていました。シロクマの水中撮影となるとかなり大掛かりな撮影になる為まだ実現はしていません...... 旭山動物園のシロクマは、ほんの少しだけ僕の想いを叶えてくれました。

ここでは数日間、このシロクマだけを見て過ごせそうです。


ガラスの筒を行き来するアザラシ。10分に一度ほどは筒の中を行ったり来たり。
筒の途中で静止しながらこちらの様子をうかがうことも!
観察されているのは人間の方かも知れません。

久しぶりに見たシロクマにテンションは上がり、再び撮影への意欲が湧き起こり、いつの間にか遠い北の海で泳ぐアザラシやシロクマを妄想していたのでした。


何故か、カピバラ


2015年5月28日木曜日

森で過ごすこと

今年のゴールデンウィークは例年訪れている森へ行けず。
先週末、ようやく2日だけ時間ができたのでフィトンチッドを吸収すべく、行ってきました。

例年より訪れるのがほんの2週間ほど遅いだけでも森の緑はその濃さを増し鬱蒼としていました。
春蝉の声が山中に響き渡り、さまざまな鳥たちの声も聞こえてきます。



誰もいないカラマツや白樺が混生する森は僕のお気に入りの場所。
この場所に通うようになってから25年ほど経つでしょうか。

テントを立て、石で炉を組み直し小さな火を焚けば準備完了。
そして、ビールのプルトップを開ければ完璧。


あとは、何をするということはなく、火を焚きながら生き物の気配を感じ、鳥の声を聞き、ビールを飲むだけでいいのです。


テントの周りにラショウモンカズラの群落。

花言葉:幸せを招く


心の中までも染み込んでくる夕焼け。


日が沈むと鹿たちは動き出します。谷に響く鳴き声。
森の中を動いている気配を一晩中感じるのでした。


火を焚きたくて来ているのかもしれません。
パチパチと弾ける火、赤、青、黄、の炎は見ていて決して飽きることはありません。
毎日でも火を焚いて暮らしたいのですが、今の暮らしではそれも出来ず、キャンプに来た時はとにかく焚き火を楽しむのです。

そして焚き火で作る料理。
焚き火の炎は魔法の調味料。カラマツの下枝の薪で燻された肉はどんなに高級な店よりも美味いのは間違いありません。

鉄鍋があればピザも焼けます。イーストを練り込んだ生地を焚き火のそばで発酵させるのです。普段の食事よりキャンプでの食事は贅沢かも?




ランタンを消せば辺りは闇。
おそらくほとんどの人は漆黒の闇を経験したことがないのでは?

24時間、音や光のある街の中ではこの暗さはきっと恐怖になるはずです。

すべての明かりを消して、テントに入り、寝袋にもぐり込む時は原始への一歩。
熾火が弾ける音が小さくなると、森の中を歩く獣の音が聞こえ、トラツグミが奇妙な声で鳴き始め、フクロウの心地よい低い声が重なってゆく......

森の夜はなかなかに刺激的なのです。