鹿の鳴き声が聞こえていた夜があけ、森に朝日がさし込む。鳥たちがにぎやかになる時間だ。いくつもの影が枝から枝へと飛び交ってゆく。カラ類やキツツキの仲間、カケスの声がようやく明るくなり始めた森に響く。
火を起こしコーヒーを沸かす。街ではまだ半袖で過ごせるけれど、山の中ではフリースを羽織らなければ寒い季節になっていた。鳥の声を聞きながら冷たい空気をゆっくりと吸込むと日常の雑念は消えてゆく。年に数回は誰もいないこの森で過ごすことにしている。
関東甲信越地方では今、標高1000mを越えた辺りの紅葉がピークをむかえている。
日本の秋は繊細だと思う。
この季節、何処にいても色づいた葉を目にすると条件反射のように頭の中ではジョージ・ウィンストンのピアノのメロディーが流れてくる。紅葉を見ながらこの音楽を聴くのは至福の時である。
George Winston......... AUTUMN 僕にとってこれほどにまで秋をイメージさせてくれる音楽は他には無い。
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