アラスカへは25年ほど通っただろうか?
その度に様々な角度から見上げ続けていた山、マッキンリー(6194m)。
僕にとっては、世界で一番思い入れがあり、一番好きな山です。
1896年、ゴールドラッシュのアラスカで金採掘者が当時の大統領候補者だったウイリアム・マッキンリーにちなんで名付けたという。翌年、ウイリアムは第25代合衆国大統領に就任した。
一方、アラスカ先住民であるインディアンたちはこの山を、「偉大なるもの」という意味のデナリ、と呼んでいました。
1975年からアラスカ州政府はずっとデナリという名前を公式に使うように働きかけており、僕が初めてアラスカを訪れた1988年にもアラスカンたちはマッキンリーという名前より、デナリの名に親しみを持ち、そう呼んでいたものでした。
先日、8月31日。オバマ大統領はアラスカを訪れ、Mt. Mckenly を Denali にすると宣言しました。
リフレクションポンドに映るデナリ。
何十年も何十回も通いつめた場所。アラスカ山脈の全貌が現れ、無風で水面に一筋の乱れもなく撮影することができたのはこの時だけ......
取り憑かれたように何本ものフイルムを詰め替えてはシャッターを切っていました。
ワンダーレイクとデナリ夕景。
夕日が沈み暗くなるまでワンダーレークを見下ろす丘の上で撮影していました。
昼間、何度かクマを目撃した道を、ヘッドランプの光だけを頼りに1時間ほど歩き、テントへと戻るのはなかなかに緊張感があるのです。
ルース氷河上でキャンプをしていた厳冬期。デナリの上に現れた二重のレンズ雲。
空からみたデナリ。この一つの山自体はエベレストよりも大きいのです。
ツンドラの彼方からの光が徐々に山肌を染めてゆきます。雪で真っ白なはずの北壁、ウィッカーシャムウォールが真紅に変わった瞬間。これほどにまで紅い山を見たのは後にも先にもこの時だけ。
動物たちはこの光景を見ているのだろうか?そんなことを考えながら紅い山を見つめていました。
左の肩に三日月がのぼり。遠くからはオオカミの遠吠えが聞こえてくる。
ドン!と腰を据え。ツンドラの荒野を見渡しているこの大陸の最高峰は偉大な山だと思います。
デナリ ー偉大なるものー ようやく、その様相にふさわしい名前に戻ったのだと、なんとなく嬉しい気分になったのです......
は〜〜〜(//∇//)
返信削除どのお写真も素敵すぎて、言葉が出ないです。。。
マッキンリーなんて、夢のまた夢のような山ですが、先日テレビ番組でイモトアヤコさんが登頂されたのを見て、こんなにすごい山なんだ‥と感動していたところでした。
まさに偉大なるもの‥デナリなのですね。
赤く染まった山肌も本当〜に美しいです。
いつも園原さんのブログを拝見させていただいていると、本当にその場に行きたくなってしまいます。
園原さんはこれまでに、どのくらいの標高まで登られたことがありますか?
ikus-amukさん
削除ありがとうございます。
マッキンリーは本当に素敵な山です。以前登ろうとした事がありましたがちょうどその年に怪我をしまして行けませんでした。そのうち行こうと思っておりますが。
あらゆる角度から見てますが、北斜面の姿が一番好きです。
僕がこれまで歩いて行った一番の高所は6千メートルくらいでしょうか。チベットです。高いところからの景色はやはり、いいものです。煙とナントカは高いところへ登りたがるといいますが(笑
デナリは雲に覆われて見られないことが多いですが、どの写真もきれいに撮れています。
返信削除アンカレッジなどの離れた場所からデナリを見ると、気象状態によっては、空中に浮いているように見えたりすることもあり、神秘的です。
氷河の上でキャンプしたとのことですが、さすがにやることが違いますね。
このような写真を見ていると、アラスカにまた行きたくなってきます。貴重な写真をどうもありがとうございます。
Tundra君
削除天候が安定すれば一週間連続で顔を見せている事もありました。
本当にカッコイイ山です。
氷河上でのキャンプ、いいですよぉ〜。寒いけど( ̄▽ ̄);
今、アラスカは秋真っ只中。アスペンの葉が風にハラハラと舞い、それはそれはたまらない季節です。ハァ〜、行きたい。