2018年4月25日水曜日

京都写真展開催



京都市内で写真展を開催いたします。

日時:5月19日(土)〜7月8日(日)

久しぶりの写真展です。関西方面では初めての写真展です。
皆様お誘いあわせの上、ぜひ、お越しいただければと思います。

京都場
http://kyoto-ba.jp/exhibition/toru-sonohara-photographic%EF%BC%8Fwork-in-the-wildness/

2018年3月6日火曜日

ドッグマッシャー・今野 道博 _Michi Konno_

3月3日。

アンカレッジ〜ノームへと続く1600キロに及ぶ犬ぞりレース、アイデタロッドがスタートした。

アラスカに暮らしている友人、今野道博が今年、エントリーをした。
スプリントの犬ぞりレーサーだった彼は、1998年オープンノースアメリカのスピードレースで世界チャンピオンとなる。日本から参戦した彼は、現地で犬を借りて即興で作ったチームで見事優勝した。新聞には一面に、レンタカーでインディ500に優勝したようなもんだ!と紹介されルーキーを讃えていた.....

初めてアラスカを訪れた30年前、アンカレッジではちょうどアイデタロッドのスタートだった。ダウンタウンはスタートを見ようと詰め掛けた人々で溢れ、興奮する犬の吠える声で厳冬期だというのに辺りは熱気で包まれていたことを覚えている。



2003年、オープンオースアメリカを走る今野道博(Michi Konno)

道さんとの出会いは20年ほど前にさかのぼる。フェアバンクスでオープンノースアメリカのレース初日、撮影をしている時にお互いの知り合いだった冒険家の船津敬三さんに紹介された。
その後、数年の時を経て、ガイドの仕事でアラスカを訪れた時に現地ガイドとして現れたのが彼だった。そしてガイドの仕事を共に、さらには共通のスポンサーを持ったことで僕が道さんの出場するレースの撮影を担当することになった。

いつかアイデタロッドに出場する。あの頃、よくそんな話をしていた。


彼のアラスカのホームでもあるマンリーのレース。


犬命の彼。過酷なレース中でも、ふと、優しい表情を見せてくれることがあった。


世界チャンピオンのトロフィーに刻まれた MICHI KONNO の名。


本当は彼がすべてを賭けたこのレースを撮影に行くはずだった。でも、事情により現地に足を運ぶことが出来なかった。久しぶりに大きな後悔となったが、魂だけは現地に送っている、もしも、道さんの橇が荒野の何処かでスタックしたら、僕の魂がほんの少しでも橇を押す力になると信じている。


レースに向かう道すがら、いつも彼のドッグトラックを後ろから見ていた。厳冬のアラスカの荒野をゆく「侍魂」の二文字が刻まれたピックアップに、熱い男のロマンを感じていた......

レースの勝敗などどうでもいい、いくつになっても夢だけで生きている、そんな姿を見せ続けてほしい。


2018年2月6日火曜日

寒波の中で


日本列島上空の寒波。
各地でこの寒波がもたらした雪や凍結に伴う多くの出来事がニュースとなって騒がれています。

観測至上、何十年ぶり。などといった言葉をよく耳にする今年の冬は、確かに例年にない寒さかもしれません。

我が家でも室外給湯器が連日の凍結。
お湯の使えない朝を過ごすことが多くありました。

しかし、これが本来の冬というものの姿。
冬を冬として季節を感じるのは決して悪いことではありません。

ということで、冬を感じるために山間部へと出向きました。
もともと寒いところ好き、氷や雪を見ると犬よりもはしゃいでしまう僕なのです。

一度訪れてみたかった凍る滝。
辺りは一面、すばらしく凍り付いておりました!


水分→寒波→凍結


凍+雪=美


滝+氷+雪+にっぽんの風景=侘び寂びの景色


雪の中のオオマシコ。


雪の上のヒガラ。


ふわっ、と丸くなった雪だるまのようなシジュウカラ。



雪景色をバックに萩の実をついばむ真っ赤なオオマシコ。
数種の小鳥の中でもこの赤には特に目を魅かれます。

雪と氷に包まれたマイナスの気温の中でも飛び回る小鳥たち。
野生に生きる生物の強さを感じます。

寒いということは、確かに厳しいことかもしれません。
けれど、その厳しさが風景を美しく、生き物を強くしているのでは? 
寒さの中で生物は命の炎をより強く燃やして生きているように感じます。

侘び寂びのにっぽんの冬。

寒いがゆえに目にすることのできる風景と、寒さの中でも活き活きとした鳥たちの姿に少し、心があたたかくなりました。

2018年1月28日日曜日

雪景色の再会


本州を広く覆った寒波。
ここ関東地方にも大雪警報が発令され30センチを超える積雪がありました。交通は麻痺し、あちこちで水道管が破裂、道路は凍結、怪我をされた方も多かったようです。そんな中、不謹慎ではありますが雪好きな僕は雪の世界を見ながらワクワク♪しておりました。

雪を見ながら想うのはやはり北国。
虚ろな目付きで、北海道やアラスカの雪原を妄想しておりました。
今年はスノボにも行けておらず、ノーマルタイヤ。とりあえずタイヤでも替えておこうかと雪の中でスタットレスに交換。少しづつ厚みを増してゆく雪。刻々と白に変わる景色......

夜になり、ふと気になったのがフクロウのこと。
冬になると日本のあちこちに大陸から渡ってくるコミミズクのことが頭をよぎりました。

一番好きだった鳥。...... 雪景色の中でその姿が見たい。

毎年、北極圏でその姿を目にしていました。
それはツンドラの緑の大地でのこと。コミミズクは夏の間、繁殖の為に北極圏で過ごすのです。動物を探し夏のツンドラを歩き回る中で必ずコミミズクに出逢っていました。
愛嬌ある瞳。首をかしげる仕草、日本へと旅すること。このフクロウには僕を好きにさせる多くの要素がありました。

翌朝、スタットレスに履き替えた車にカメラを投げ入れると目撃情報のあった近くの河川敷へ。フクロウの好きそうな地形や現れそうな場所をチェックしながらしばらく車を走らせていると、目に飛び込んできた懐かしい羽搏き。車を止め、双眼鏡を向けると。そこにはコミミズクが  ♡

 冷気が溜まる白い空気の中には獲物を探してパタパタとフクロウ独特の羽ばたき。雪の中、車を停めカメラをセット。辺りは白一面の世界、まるで北国の風景。



雪原に影を落とし、音もなく飛ぶ姿は美しい。



愛嬌のある顔つきとはうらはらに、カシラダカを貪る。
獲物の多くはネズミだが積雪時には鳥を獲ることも多い。

むしり取った羽が少し残っただけで、脚も、骨すらも丸呑み。
"うまいっ!" そんな感情が伝わってくるような野生の表情。


撮影中、足元に現れたニホンイタチ。
コミミズクの餌食にもなるが凶暴なイタチをそう簡単には捕獲することはできない。



恰幅のいいマダムの雰囲気を漂わせる個体。

久々に再会した彼女は長い年月の後、たくましい人に変わっていた...
などと、最後に逢ってから数年。感動の想いで目の前に存在するコミミズクを撮影し続けていました。


真っ白い風景の中、興奮する鳥との出逢いに幸せなボク



冬になる度に気になっていたが、ようやく出逢うことができたコミミズク。

雪景色の中で昔の恋人にでも再会したような気持ちになったこの三日間の撮影は、とても充実した時間でした。


2017年12月22日金曜日

冬からの使者


どうも僕は白いものに弱い。

冬。雪。そして、白い鳥(タンチョウヅル、ユキホオジロ、キョクアジサシ、シロフクロウ、シロハヤブサ、白鳥)

白 → 北
そんなイメージが頭の中にあるのでしょう、白いものを目にすると心が震えるのです。
北極圏でいつも見ていた色白の鳥たちが頭の中に蘇ってくるのです。

確か去年は訪れることはなかった、自宅から近いところに白鳥の飛来地があります。
急に白鳥の声が聞きたくなりました。

数羽が飛来、と耳にしていたのは2ヶ月ほど前。現在は60羽ほどいるようです。
シベリアから新潟の瓢湖を経由し、渡ってくるという埼玉の群れ。

明けきらぬ薄明の中を、遠くから白鳥たちの声が響き始めると、
「ブルンッ!ブルンッ!」と力強く羽ばたく大きな翼音が目の前を通過してゆきます。


白という色には神秘的な魅力が。


 家族を単位としている群れ。


集まった群れは毛づくろいをしながらしばらく過ごし、


太陽の日が差すと、乱舞するように一斉に飛び立つ。 
鳴き声、翼の音、この迫力には心が震える......


ほんとにここは埼玉か?と思える光景。


三段飛び。


壮絶な朝の光景を目にした後、ポツンと水に浮かんでいた真っ黒い一羽のバン。

今朝の舞台ではスポットライトを浴びることはなかったけれど、
なんだか愛おしい存在に思えたのでした......



2017年12月15日金曜日

冬へ向かう森


テレビのニュースが今季一番の冷え込みを伝えた日。
いつもの森には冬に向かう姿がありました。

明けやらぬ森にゆっくりと光が射し、山の朝が始まります。

冷たい空気を吸い込みながらそんな森の姿を眺めていると、
息をするだけでスゥ〜ッと頭の中の霧が晴れてゆくような感覚になれるのです。

深呼吸には脳を活性化させ、心拍数を下げ、気持ちを落ち着ける作用があります。
そして、森の中にはフィトンチッド。樹々が発しているという化学物質。

森の空気の中にたっぷりと含まれているであろうこの物質と澄んだ空気を胸一杯に吸い込むことで気持ちは穏やかに。その存在を直接的に感じるわけではないけれど、心が安らぐということは、きっと効果はあるのでしょう。



冬を前に一見モノトーンに見える森も、
足元に目を落とすとまだそこに残る秋の色。カラフルな世界が広がっていました。


霜の降りた葉は自然が作り出したアート作品。
マクロレンズを付けたカメラで何時間でもファインダーを覗いていられます。


稜線から顔を出した太陽は、風景はゆっくりと溶かしてゆきます。
凍結と融解を繰り返し微生物に分解される落ち葉は林床に堆積し、やがて土壌を形成してゆきます。そして次の世代を育てる新たな栄養分に変わります。
気づきもしない風景の中の輪廻。自然の中でしぜんに繰り返されているそんな時の流れ。

あまりにも複雑でせわしない現代社会の時の流れとはちょっと違う時間の流れが、ここには、ある。

そんなことを冬に向かう森の中で思った師走のある日。

2017年11月14日火曜日

いつもの森の秋


四季を通じ訪れている森へと車を飛ばしました。
今年はあまり来る機会が持てずだったので、多くの台風や雨の後で、森はどうなっているのかが気がかりでした。

久しぶりの森は、なんら変わった様子もなく、秋の色に染まりいつものようにありました。いつものように、いつも見ている木を眺め、カメラを向け、数回シャッターを切る。

それだけでいいのです。

今はまだ海外へは出かけることのできない僕ですが、家から一時間ちょっとのこの森に来ることでかなり気分は癒されるのです。



日本という国の自然もなかなかに素敵だと思います。
繊細な風景は心に沁みる、そう思います。

色づく葉の間を移動してゆくヒガラの姿を見つめながらほんの少しだけセンチメンタルな感情に浸ってみたのでした......