2012年2月28日火曜日

冬の樹


両手に持ったストックを雪面に突き刺し、細いスキーの一歩を蹴り出す、新雪の上を、スーッと体重が移動してゆく。雪の世界は静かだ。枝から枝へと移るコガラの姿。風に乗って聞こえて来るキツツキのドラミング。哺乳類の姿を探すがそう簡単には姿を現してはくれないだろう。見上げると冬の樹々の枝が目を魅いた。その光景を見る度に毛細血管を想像してしまう。幹を通じ水分や養分を運ぶ枝の働きは血管とも似ている。自然界にあるものも、人間の体もきっとそう変りはないのだろう。


人間よりも遥かに長い時を生きている樹。何も言わず、風に吹かれ、雪が積もり、それでもひたすら立ち続ける。なんて、ちょっと感傷にひたることができるのも冬の森の中にいるからだろうか......


2 件のコメント:

  1. とても素敵な写真ですね。なんだか少し、泣けます。
    葉脈もロマンがありますが、枝の姿も同じく血管のよう…。
    そうなんだ、そうなんだと共感しました。

    私の誕生日は12月17日です。射手座同士ですね。

    わが家のリビングはデッキに続いて、その下がすぐ琵琶湖です。
    水上バンガローのような感じかな。
    冬、空から直接雪が湖面に舞い降りる風景、琵琶湖で越冬する
    数百羽の鳥の姿、徹さんに撮っていただきたいです。

                       滋賀県 のぞみ

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  2. できるだけ動物の写真を載せたいと思ってはいるのですが......短い時間ではなかなかうまいこと撮れないので。
    でも、樹も、水も、土も、自然界にあるもの、みんな同じですね。ちゃんと視て、ちゃんと撮らないと、と思います。
    僕は12月24日生まれで、山羊座でした。
    リビングがデッキに続いてその下が琵琶湖!何と言う羨ましい環境にお暮らしなのでしょうか!
    いつも自然がすぐ近くにあり動物を見れるというのはいですよね。
    琵琶湖は1度訪れたことがあります。オジロワシが来ていたのを覚えています。

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